ロングボードの奥深さ

プロロングボーダーのJulian Hopkinsです。

今回のコラムでは、私がプロサーファーとして乗っているロングボードについて、少し深ぼりしていきたいと思います。
まずロングボードと言いますと基本的には長さ9フィート(274.32センチ)以上のボードを指します。
実際に大会のルールブックでも規定されており、アマチュアの全日本選手権では大会開始前に板の計測も行ないます(少なくても私が出場していた頃はやっていました)。

参照:日本サーフィン連盟競技規定よりhttp://www.nsa-surf.org/wp/wp-content/uploads/2014/11/judge_text_2015.pdf

9フィート以上で、長い物では10’2フィート位までを海ではよく見かけます。

これ以上長い11や12フィートクラスの板になってくるとグライダーなんていう呼び方をされ、文字通りアウターリーフの割れにくい厚い波をキャッチして優雅にグライドする為の道具となってきます。
もちろん乗り手がその板をどんな波で使用するかはその方次第であり、ポイントによってはビーチブレイクでも適した場所もあると思います。

動画の板はなんと14フィートもあるそうです。
いつかはこういった板を手にいれて、普段あまりサーフィンがされていない無人のポイントを開拓してみたいと密かに思っています。

話しを戻しますと、個人的には様々なタイプのボードを自分のスタイルで楽しむのがサーフィンだと思いますが、この9フィート以上のロングボードのカテゴリーの中にはいくつかの分類が存在していると言えるかと思います。

色々な呼び方がありますが、一つはハイパフォーマンス・ロングボーディングでもう一方はクラシック・ロングボーディングなんて言われたりします。

ハイパフォーマンスでは大抵は9フィート台前半かつ4〜6キロ台ぐらいの比較的軽量(4〜6キロ)なボードを使用し、フィンは通常はシングルスタビライザーもしくはトライフィンで、サーフボードの側面にあたるレール部分をしっかりと使い、カービングやリッピングといったターン系の技と、ロングボードならではの動きであるノーズライディングをミックスしたライディングスタイルになります。

一方で、クラシックスタイル は、波や体格にもよりますが、9フィート台中盤から10フィートぐらいまでで大抵は9キロ以上の比較的重めなボードが多いと思います。
丸太という意味でもある「ログ」という名前で呼ばれたりするタイプの板です。

ノーズライド、特にハングテンやドロップニーカットバックそしてそれ以外でも如何に美しくスタイリッシュに重たいボードを扱えるかを極めて行くスタイルと言えるかと思います。

二つのスタイルの違いを見て頂くために敢えて同じライダーがそれぞれのタイプのボードをどのように乗るかをご覧下さい。

ハイパフォーマンスボードにもとにかくターン性能に重きを置いたものから、ターン系のアクションとハングテンの双方を繰り出せる万能タイプのボードまで様々な道具があります。

クラシックスタイルのボードも長い壁の続く波でのノーズライディング性能に特化したノーズライダータイプのボードや重たいながらも自在にコントロールすることを楽しむピッグタイプのボード(板の一番幅の広い箇所が後ろよりにあるタイプのボード)などいくつか種類があります。

今回は本当にさわりをご紹介したまでですが、一言でロングボードと言っても実に様々なスタイルのサーフィンがあり、この多様性こそがロングボードの魅力の一つと言えるかと思います。

どこまでこだわるかは人ぞれぞれですが、サーフィンスタイルの違いによって、コミュニティやファッション、乗るクルマにまで影響が出たりするのはサーフィンの面白い部分だと思います。

これから本腰を入れてサーフィンを始めていこうという方々にはこういったロングボードの世界感も是非感じ取って頂ければと思います 。

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