僕は東日本大震災がきっかけでサーファーになった

記憶に新しい2010年東日本大震災。
あれから10年もの時が経ちました。

この平静に起きた史上最悪とされる自然災害において、東北の被害は平和と言われるこのご時世で信じがたい心が痛くなる光景を目の当たりにしました。

多くの犠牲者を出したこの震災は、かつてない大震災として強く爪痕を残しました。

今もなお沢山の方の心に傷跡を残しております。

これまでQUIIVERでは、福島県いわき市という街は過去に数回にわたり紹介をしたことがあります。

そして、サーフィンとの関係性も強いスケボーパークの取材も二回に渡り紹介致しました。

東日本の被害を受けながら原発から約70キロの距離に位置し、数々の風評被害と戦い、様々な葛藤を強いられてきたとてもタフな街としても知られる福島県いわき市。

記憶に新しい2019年度の台風でも、川の氾濫がおき床下浸水という自然災害にも見舞われました。

地元民撮影
地元民撮影

しかしこの街が持つポテンシャルはとても高い。
人々は強い心を持ち支え合い励まし合いながら生活をしています。

福島県いわき市は都心から車で2〜3時間の日帰りも可能な程よい距離。

透明度の高い水に新鮮な魚たちいつ来ても波がある。

混雑とは無縁の海。

震災後にサーフィンから遠かった方は多かったと地元ローカルは言いますが、本日は震災がきっかけでサーフィンを始めた一人の青年とその仲間たちを取材しました。

Q1.お名前を教えて下さい。

齋藤幹太です。23才(2021年現在)サーフィン歴は約7年ほどになります。

Q2.サーフィンを始めたキッカケはなんですか?

そもそも小学生の時に兄に連れられてサーフィンを始めたものの。
いわきの海は荒くて冷たく、子供の自分としてはハードルが高かったんです。

そして、僕自身が喘息やアトピーという持病もあって、サーフィンがとても苦手でした。

そういうネガティブな感情から、サーフィンに対して特に好きという感情は無かったのですが、2011年の東日本大震災をキッカケに震災後に特定非営利活動法人”海遊”のプロジェクトに参加した事でこれまでのサーフィンの印象が変わりました。

https://www.npo-homepage.go.jp/npoportal/detail/027230001

特定非営利活動法人海遊 | NPO法人ポータルサイト – 内閣府

ここの小池社長が福島、仙台の子供達を海で遊ばせようという企画をしてくれて、地元のプロサーファーである渡辺弘樹さんから声かけられて参加しました。
奄美大島に行ったり、伊豆も行ったり、高知に行きサーフィンの合宿をしました。

その経験を通して、海に触れ合いその土地のローカルや普段では会えない日本のトップのプロサーファー達に触れ合え、考え方も変わりみんなと楽しくサーフィンを出来たことがキッカケでサーフィンにハマりました。

Q3.震災の時はどこにいらっしゃいましたか?

その時僕は中学一年生でした。
ちょうどその日は中学校の先輩の卒業式で学校に行きたかったのですが、40度の高熱のため学校を休んで母と二人で自宅にいました。

地震が起きた時は、皿の割れる音や地割れの音で混乱して何が起きてるのか分かりませんでした。

家はいわきの街中なので、津波の心配はなかったのですが、テレビもつかないし、まさか豊間に津波が来てることも知らず、次の日の朝起きてニュースをつけたら津波の映像が流れており、ものすごい恐怖を覚えました。

Q4.今現在は、海に対してのネガティブな思いはありますか?

今はあんまり気にしてないです。原発とか色々ありますがそれよりも、この波でサーフィンを出来ることが楽しいです。

Q5.福島の波の魅力を教えて下さい。

常にコンスタントに波があり、人も居ないので周りを気にしてサーフィンしなくていいというところだと思います。

Q6.サーフィンに纏わる他の活動もされてるのですか?

ビーチクリーンには仲間達と必ず参加する様にしてます。
この海に感謝の気持ちを持ってやってます。

Q6.普段はどんな活動をしていますか?

みんなで土日に集まり試合をやったりキッズにもサーフィンの楽しさを教えたりして切磋琢磨しています。
最近はキッズも増えてきたのでとても嬉しいです。
いつもいい波でサーフィンできるので最高です。

Q6.今後、目指している事を教えてください

大きな目標としては、福島で試合に出ているプロサーファーがいないので、まずはプロになってJPSAやQS等に出て結果残せたらいいなと思っています。

直近でやりたい事は、いわきのサーファーで若い子達が集まってきたので、映像をみんなでとって残しいわきのいい波でサーフィンしているのを見てもらって発信したいと考えてます。

近場の皆様にも気軽にきて欲しいと思います。
またかつてのように様々なトッププロやレジャーサーファーにもこの波を知って欲しいです。
このいわきの波がメジャーなポイントになれればなと思います。

写真左から 笹島大輝、牛木惣一郎、近藤翔、芳賀滉太、高橋優哉、青木隆生、齋藤幹太、青木虹弥、志賀勇平、伊藤未来

震災から10年の時が経つ。
被災地と言われるこの街の人々の心は、非常に強く逞しくそして美しい。
緊急事態宣言が明けたら、是非体験してみてほしいと思います。



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