最も隔離された島、シメルー島サーフトリップ【飯田航太のぶらりサーフ旅 vol.3】
Cover photo by charfilm
目次
はじめに
第3弾となりました、ぶらりサーフ旅。
今回は過去に数回サーフトリップで訪れた「インドネシア・シメルー島」について書こうと思います。
日本からのアクセスは飛行機を2回乗り継ぎ、最後は小さなプロペラ機に揺られて約1時間のフライト。
着陸直前に飛行機の窓を覗くと、天国のような光景が広がっています。
真っ青の海の中には鮮やかな緑色を纏った珊瑚礁。
陸地に近づくにつれ波が割れ出し、至る所で綺麗にブレイクしているラインナップを目にします。
この真下に見える突き出た地形がこの島のメインブレイク、ディランライト。
こんな旅の始まり、みなさんも体感したくないですか?
2022年は世界各国の渡航制限は緩和されていき、近い将来、今までのような国外サーフトリップが可能になっていくと見据えることができますね。
シメルー島は自信を持っておすすめできる、大好きなトラベルデスティネーションの一つです。
シメルー島って?
サーファーなら知っている人はいると思いますが、それ以外にこの島を知っている人はいないでしょう。
シメルー島はスマトラ島北西部の沖に位置している島で、沖縄より少し小さいくらいの面積。
島民の大多数はイスラム教徒なので、毎朝日が出る前に近くのモスクからコーランが聞こえてきます。
現地の子供たち。幸せ溢れる瞬間。
なにより島民のあたたかさと治安の良さがオススメしたい理由の一つです。
地元の人々が大勢いる場所で、車のドアを開けっぱなしにしながら数時間サーフィンしていても何も取られない。
海あがりに気さくに喋りかけてきてくれる。
英語ができる地元民はそうそういないのですが、ジェスチャーを通して新鮮なココナッツを売ってくれたりするんです。
インドネシアの他島では、なかなか経験できない島民との純粋な交流もこの旅先の魅力ではないでしょうか。
<アクセス>
日本からシメルー島へのアクセスは、飛行機を三便乗継することで辿り着くことができます。
飛行機が苦手な人からするとハードルが上がってしまいそうですが、一番搭乗時間の長い日本からジャカルタまたはシンガポールのハブ空港間は、夜間のフライトになるのでフライト中に寝ることができれば一気にシメルー島に近づきます。その後2つのフライトは各1時間程度です。つまり日本を出発した翌日の夕方にはシメルー島ラシキン空港に降り立つことができるんです!
そして空港からメインのライトハンダー ”ディランライト” まで車で5分。
着陸時に窓を覗くと、綺麗にブレイクしているこのポイントを見ることができます。
そうしていると、まるで道の駅のようなサイズ感の空港に到着。
4メートルくらいしかないベルトコンベヤーから、ボードバッグが流れてくるのを待ち、お迎えにきてくれている宿のオーナーとキャッチアップ。
僕が利用している宿「Coconut Island Surf Stay」はディランライトのすぐ近くの立地です。
オーナーの「イーラン」は島のプロフェッショナルで、いつも素晴らしいポイントへとガイドしてくれます。
♦︎Coconut Island Surf Stay
+62 823-6361-1516
https://goo.gl/maps/ny6ydiKz8RkLH3xT7
1日目は宿に着いたらココナッツを割ってもらってココナッツジュースを一気飲みします。そしてすぐにボードバッグからボードショーツとサーフボードを取り出し、宿の前からパドルアウトしてディランライトでファーストサーフ。
これが僕のルーティンで、何より透明であたたかい海に浸かる瞬間が最高に気持ち良いのです。
一晩と半日で辿り着ける「秘境」をより身近に感じるのではないでしょうか?
多種多様なサーフスポット
朝起きて、まずイーランからの波情報で1日のプランを組み立てます。
「Coconut Island Surf Stay」では原付の無料貸し出しが宿代に含まれているので、自分たちの好きなタイミングで好きな場所にいくことができます。
メインのディランライトから、バイクで30分圏内には数え切れないほどのサーフスポットが存在していて、海沿いの道を走るとそこらじゅうにSurfable(サーファブル:サーフィン可能な)なブレイクを見つけることができます。
バディーの村上蓮と原付で波探し。
中でもメインのディランライトは極上の波質を誇ります。腰サイズからダブルオーバーまでその時のサイズに合った波がリーフの上でブレイクするので、小さくても大きくても楽しめるポイントとなっています。
サイズが頭以上になるとこんな風に完璧なチューブの波が姿を現す。
このポイントで胸より小さいサイズをみたことがない。
最低の波予報でもディランライトはサーフィンできるのですが、そんな時に行って欲しいポイントが「ウォントン」
ウォントンでのグーフィーライド。この日のディランライトは腹セット胸くらいだったが、ウォントンではダブルサイズがブレイクしていた。
舗装した道路を10分ほど走り、ガタガタ道のジャングルに入っていきます。
この道が結構冒険心くすぐるオフロード具合で、雨の後にここを通るととんでもない場所にきてしまった感がすごいんです。笑
そうしてオフロードを通り抜け海に出ると、ハワイのような景色が広がります。
反り立つ崖の横から割れ出すレフトハンダーは少なくとも30秒以上形を変えることなくインサイドまでブレイクし続けています。
ここはウネリを最もひろうポイントで、ディランが極小サイズモモコシの時でも胸以上のサイズを期待できます。もしあまり良くない予報に当たってしまった時はぜひ訪れてほしいポイントです。
チューブ道場
己のチューブスキルを試される道場と言っても過言ではない最強のアウターリーフブレイク「ティーバックス」
このポイントはディランの沖に見える島にあるので、行くためにはイーランに頼んで現地の漁船を呼んでもらいます。
船のキャプテン。
宿前の海まで迎えにきてくれるので、宿から海に入る格好でそのまま漁船に乗り込みます。波に揺られることやく30分。島沿いに水しぶきを上げながらブレイクする波が見えてくるはずです。
ティーバックスが位置する離島は見渡す限りの椰子の木ジャングルが広がっている。
船から海に飛び込みラインナップを目掛けてパドルをはじめます。
こういうポイントに入る時の、そわそわとしたフィーリングは独特でクセになります。ティーバックスではチューブ以外の技を仕掛けることは難しく、テイクオフしたら最後プルインするしかない。チューブの継続時間がすごく長く、その途中でブレイクする速度が変わるのでチューブの中でのコントロール技術が試されます。
上級者にはとてもいい練習ができるフィールドになりますね。
2019年、Hammo Surfboardクラシックラインのシングルフィンで挑戦してみた。このチューブの中から見えた景色は今でも脳に焼き付いている。
おわりに
今回もここまで読んでいただいてありがとうございました。
これを書いている最中シメルー島にいるような気分になって胸が高鳴りました。
皆さんにもその感覚が伝わりましたでしょうか?
シメルー島には、まだまだ今回の記事では伝え切れない魅力やスポットがたくさんあるので、シリーズとして連載できればと考えております。
毎日こんな景色の中最終ラウンドを楽しむことができる。
夕焼けもさることながら、背景に写る椰子の木がとても美しい。
今回は中級者〜上級者向けの3つのポイントを紹介しました。それらの波が出ている自分の映像リンクを貼っておきますので、この記事と照らし合わせながらごゆっくりとご覧ください。
“TRAINMAN”
2018年に訪れた際のエディット。
このトリップではディランライトをメインに数々のディープバレルをメイクすることができました。最長のバレルは8秒間。ゴープロのインナーバレルショットも数本収録しているので大きな画面で楽しんでもらいたいです。
Film by hrssurf
Edit by kotaiida
“Simulue 2019”
コロナ前最後のシメルートリップ。
シングルフィンを持って挑んだティーバックスからスタートする映像。チューブの波が少なかったこの旅では色々なポイントを巡りアクションにフォーカスを合わせた映像となっています!
Film by hrssurf
Edit by kotaiida