【旅コラム】コスタリカTRIP【プロサーファー久米大志】
本日QUIVERのYouTubeでドキュメンタリー動画が上がったと思いますが見てくださいましたか?ぜひ、そちらを見てからこのコラムを読んでいただけたらまたより一層楽しんでいただけるかと思います。
目次
なぜコスタリカに訪れたか
自分は小さいころから日本だけに留まらず海外からの沢山の影響を受けて育ってきました。
そんな中でコロナというワールドパンデミックが起こり、海外に行くことが難しくなってしまいました。
心の中には常に少しでもチャンスがあれば海外に行きたいなと、ずっと思っていました。今海外に行くのが困難になってしまったのは事実ですが、逆に海外に出ることの価値観が高まっていることも事実です。
自分が海外に行き、自分の目で他国の状況などを確認し、その他国の現状や自分の経験、感じたことを何か形にして世の中にシェアしたいと思ったからです。
なぜ今回コスタリカを選んだかと言うと、それはシンプルで今まで一度も南米に訪れたことがなかったからです。それに加え世界的に有名なサーフスポットが沢山あり世界中から沢山のプロサーファーが訪れているのを知っていたのでずっと行ってみたいと思っていました。
日本とコスタリカの違い
コスタリカ、サンホゼ空港に到着しての印象は、そこで出会った人たちの目がとても優しい目だった事と、日本とは全然違う自然の力を感じました。
コロナ禍でアジア人というタイトルを持ちながらコスタリカに入国している僕に対し、偏見や嫌な顔をする人すら一人もいませんでした。
僕が何を感じたかというと、この国の人は他人を外見やタイトルで判断するのではなく、その人の内側も見て人と接しているなということです。
現地で生活していて、ほぼ全員と言っていいほど日本から来たと伝えた時に、逆に喜んでくれるぐらい受け入れてくれました。
日本で生活していると、毎日何十回と言っていいほど「コロナ」というワードを聞いたり見たりし、なぜここまで僕らの生活は見えないプレッシャーを背負わなきゃいけないのかなと思っていました。
しかし現地で生活していた時はこのワードが会話に上がったり目にすることが本当に少なかったです。
僕が思うにコスタリカの人々は心にとても余裕を持ちながら生活していると思いました。余裕とは金銭面や安定ではなく、毎日を最高な一日にするために生きるようとする心の余裕です。
それは生活スタイルに年齢関係なく遊び心忘れず、人生を楽しんでいると感じました。
さらに驚いたことは、コスタリカの自然あり方です。
このドキュメンタリーでも見れるように森の中に街があり、街の中に日本では見ることのできないたくさんの野生動物がいて、その野生動物、人間そして自然が共存して成り立っているのがわかります。その膨大な自然が生むエネルギーと豊富な栄養によって育ったフルーツや野菜は今まで食べたことないぐらいフレッシュでとても美味しかったです。コスタリカの人々や動物はその土地で育った自然のエネルギーを取り入れていることが心の余裕にも繋がっている気がしました。
またコスタリカで一番大きく経済を左右しているのは観光業です。世界中から年間を通し沢山の観光客が訪れています。僕が行った時でも沢山の人が観光に訪れていました。
その中でもコスタリカ政府や国民はすごく自然を大切にし、ありのままの姿をキープし、大切に守られています。だからこそ昔から根付いている動物が今でも当たり前のようにそこら中に生息し、街は緑に覆われています。例えば日本でいう犬、猫がコスタリカではイグアナや猿でした。
現地での生活を経て「人間」が全てを支配するのではなく、人間が自然の一部として生きていて、自然に人間が生かされていることを再確認しました。それが本来の地球のあり方なのではないかと僕は思いました。
コスタリカにいる人達全員が口にする言葉があります。
それは「Pura vida!」(プラビダ)と言う言葉です。
言葉の意味はPure lifeまたはSimple lifeで全てのポジティブな意味合いとして使われています。
例えば挨拶の時、感謝を伝える時、感情を表現する時など全てのシチュエーションで使われます。
僕もそのバイブスがとても気に入って毎日のように使っていました。こう言ったポジティブを意味する言葉が国民全員の共通ワードとして浸透していることがすごくいいなと思いました。
サーフコミュニティ
サーフィンしていてシンプルに「最高」の一言です。
波がめちゃくちゃ良くて、海の中のバイブスがとてもよかったからです。
サーフスポットとして世界的に有名なる理由がいざ自分で味わってわかりました。
実は目的は別でしたが、今回一緒に日本からカイくん(大橋海人)とコスタリカに渡り、最初の一週間行動を共にしてました。
サンホゼ空港に到着した直後、大きいスウェルが最初の目的地から6時間ぐらい離れたところにヒットすることがわかり、急遽タクシードライバーに無理を言って目的地を変更し”Pavones”というポイントに向かいました。
数百メートル沖からブレイクするマシーンレフトを見た時、思わずカイくんと顔を見合わせてしまいました。
地元茅ヶ崎では乗る事のできない波を目の前にし、興奮状態のままパドルアウトしました。恥ずかしながら僕はそのポイントと調和することができず、納得のいく波に乗り自分の描きたいラインを描くことができませんでした。
一本乗るたびにそのライディングを見ていた人全員は僕に声をかけてくれ、「今の最高だったぞ!」と自分以上に喜んでくれる人がいて、サーフィンだけで自然と輪の中に入りお互いを認知し最高の空間を分かち合うことができました。
それはどこのビーチでサーフィンしても同様で、各ポイントに根付くコミュニティーがあり、みんなグッドバイブスな人達で楽しくサーフィンできます。
車を走らせて、海を横目で見ていると無人のスーパーブレイクだらけで、自分の波に対する感覚がおかしくなるほどでした。
サーファーにとってコスタリカは最高な国だと思います。
プロからビギナーまで対応するあらゆる波質があり、一年を通し波がなくなることがないからです。またしっかりとしたリスペクトを持って海に入っていれば、なんの心配もすることなく現地の人達と仲良くなれます。
コロナの状況
詳しい人数などわかりませんが、僕が見たかぎり人々はそこまでコロナを気にかけず、ありのままの生活をしているように見えました。
もちろんレストランやスーパーマーケットに入る際はマスク着用を義務付けられ、21時には全てのお店が閉まります。
しかし街中ですれ違う人々でマスクをしている人はほぼ見ませんでした。
この国は上記の通り観光業で経済を回している国なのでボーダーが閉まっておらずその国ごとに定められてルールに従えばどこの国からでも入国することが可能です。
どこの町に行っても気軽に受けられるPCR検査所がありました。入国時にはコスタリカ指定のインシュランス(コロナ対応可、約一週間$5)に加入することが義務づけられています。
面白いことに乗り換えのドイツでは陰性証明を提示する必要がありましたが、コスタリカ入国時には提示する必要がありませんでした。(規定は随時変更します。)
この旅を通して伝えたいこと
久々に新しい環境に飛び込み、自分を客観視する時間がたくさんありました。
旅をしている中でどういう人生を歩みたいかがなんとなくイメージできました。
この旅はプロサーファーとしての立場、日本人としての立場をより深く考えるきっかけを作ってくれる時間でした。
旅を通して気づいたことは、僕は旅からたくさんのことを吸収し、学び成長する人間だなと改めて思いました。
「旅」とは海外に行く旅だけでなく、日本で生活している日々も小さな旅であり、そこで得たものが自分の成長に繋がります。
だから僕は旅をし続けることに意味があると信じています。
冒頭でも言いましたが、今回そんな僕の考えや現地で見て感じてきたものをドキュメンタリーを通し少しでも多くの皆さんにシェアしたいと思いました。またこの映像から何か新しい発想や何かのモチベーションに繋がればとても嬉しいです。
Pura vida
久米大志