【KNOT】TOP8 インタビュー”矢作紋乃丞”

Cover photo by @higrind01

今回、本選に出場した選手達へのインタビューを行った。
まずは、予選動画情報からご確認いただきたい。

エントリーNo.89
Name: 矢作紋乃丞
Age: 18
Home: 鵠沼
Instagram: @monnojo_yahagi
Film: @rlm_ogakiyo @higrind01
Edit: @spunit_official

予選通過ランキング 7位

■Interviewer /writer : Kaho Kitayama

Q.出身地とお名前の由来を教えて下さい
神奈川県藤沢の鵠沼海岸で生まれ育ちました。名前は、父が侍が好きでちょっとそういう……古風な名前になったようです(笑)

Q.サーフィンはいつ始めたんですか?
4歳から。父がサーフィンやっていて、海に連れていってもらううちに見ていて楽しそうだなあと思って始めました。父からマンツーマンで教わったという形です。

Q.プロはいつから意識し始めましたか?
JPSAのプロ資格は昔から取ろうと思っていた訳ではなかったものの、中2くらいから意識し始めました。世界をまわるにあたってスポンサーの存在が大切になってくるので、サポートしてもらうためにはプロになる必要があるなと。

Photo by @KENYU / KNOT

Q.自分のサーフスタイルの特徴を教えて下さい。
日本人って割としっかり決めに行く、こけないサーフィンをやっているけど、僕は(できる技の精度を高めるより)できない技をたくさん練習して、試合でも大きな技に果敢に挑戦していくという攻めのタイプ。できない技が初めて決まると嬉しいし楽しいので、それを試合で決められたら、見ている人たちも盛り上がるかなという思いでやっています。試合中の方が、決めなきゃっていうマインドで戦うので結構決まるんですよね。

Q.今時間を掛けて練習している技ってありますか?
今練習しているのが、「バク宙」を海の上でやるっていう……。まだ日本人で決めている人が居なくて、それを一番最初に決めたいなと思ってずっと練習しています。あともうちょっとなんですけど、そのもうちょっとがまだ遠い。

Photo by @yasushi_photos

Qもうちょっとが遠いとは?
環境的にも日本の波だと力や大きさが足りないのもあり、練習できる日が限られていて。あとは、バク宙していると頭が下になるので、日本は浅いところが多い分、頭から地面に着地すると危ないなあという、恐怖心との戦いですね。

Q.Knot online contestには何故参加しようと思ったんですか?
若い選手をうまい人たちと一緒に競わせて、レベルを底上げしていこうというのが良いですよね。優勝したら海外の人たちとトリップできるという特典があって、連れて行ってもらえたら良い刺激になるなあと思い参加しました。デーン・レイノルズと一緒にやってみたくて。

Q.Knot online kontestの動画は何を意識して制作しましたか?
自分自身もだし、動画を見る人も楽しいだろうなって思うプレー動画をつなげてみました。「それ決めてくるの!?」っていう技に挑戦しているんだよってことが伝わるように意識しましたね。

Q.若い参加者も多いこのコンテストでどんな刺激を受けましたか?
トッププロたちと試合できてみんなの良いサーフィンを見れたので良かった。15歳くらいの若い選手はまだスタイルが形成途中の人が多いけれど、松本浬空選手は自分のスタイルを持っていてしっかりサーフィンもうまいので、すごいなあと感じます。

あと、トッププロからの刺激として、マニューバーなりエアーなり、改めてそれぞれの得意とする技のトップレベルにいるなあと思いました。スタイルだと小林直海選手、マニューバーだと小嶋海生選手とか……見ていて楽しそうだなあと。

Q.本戦のご自身のプレーを振り返っていかがですか?
試合の時は両足ケガをしていたんですが、本戦は結構波が大きくて、その分着地の衝撃も大きくなるので、ケガを考えるといろいろな技をするのが怖くて、攻めきれませんでしたね。自分の得意なエアーを見せられなかった。でも、悔しい一方で、いろいろな人のサーフィンが見られたのは良い機会でした。

Q.両足のケガの状況を教えてもらっても良いでしょうか?
左足はすねを去年の10月に交通事故で複雑骨折しました。
原付でスポンサーの家にステッカーを取りに行く途中、十字路で車とぶつかったんです。その後半年以上サーフィンできない中、ようやく今年の7月に試合に出たんですが、エアーでケガをしてる左をかばってしまい、右足だけで着地して捻挫してしまいました。もうほとんど治っているんで大丈夫です。

Q.ケガで落ち込んだと思うんですが、メンタル面のケアや、モチベーションの保ち方はどうされてるんですか?
最初はやりたくなるからサーフィンの動画も見ず、海にも行かず、寝てばっかりだったんですが、途中から「このままだとケガから復帰しても下手になってるな」と思い直して。他の選手のプレー動画と自分の動画を見比べてフォームチェックなどをするようになった。少し直ってきたら、まずスケートボードに乗ってフォームを確認し、少しずつ海に入って復帰につなげていきました。これまで自分のプレー動画を他人のと見比べるということはなかったので、良い研究の時間になったと思います。でも、基本的は試合で負けても2~3日寝て、起きたら忘れて、また挑戦しようってタイプです。

Photo by @riaru_ito

Q.この先、切磋琢磨していくだろうなと意識している選手はいますか?
実は、5年前くらいからあの「バク宙」の技を、伊東李安琉選手とどっちが先に決められるか競っているんですよね。どっちもまだ決められていなくてずっと引き分け状態なので、はやく決めて差をつけたいですね。

Q.最後に、今後の目標やこれから取り組んでいきたいことを教えて下さい。
CT(チャンピオンシップツアー )に入って活躍するのが最終目標なので、それに向けた第一目標として(CTに入るための)QS(クォリファイケーションシリーズ )やCS(チャンレジャーシリーズ)に出られるように挑戦していきたいです。あと、今回のKnotも良い企画だと思うので、来年もあったら出たいなあと思っています。来年は、ぶっちぎって優勝したいですね!

□ライターコメント□
今年JPSAプロ資格を獲得した期待の新星。インタビューの口調は穏やかながら、言葉の節々からは内に秘めた闘争心を感じた。弱冠18歳にして、その佇まいはまさに侍のよう。コンテストの動画でも、果敢に難しい技に挑戦する姿勢が見る者を惹きつけ、愛らしい笑顔とのギャップが印象的。いつか本当に波の上で「バク宙」を決め、海も空も制覇して、世界にその名をとどろかせて欲しい。

Photo by @KENYU / KNOT

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