LONGBOARDの世界 【美女ロングボーダー田岡なつみ】
私はロングボードを始めて2021年の今年で16年、国内プロの試合、海外の試合に周り始めて11年になります。
今回私はWLT(世界戦)に、男女18人限定に選ばれたので、カリフォルニアで行われたサーフランチとマリブの試合に出場してきました。
そこで感じたことも含め、国内だとあまり注目されにくい、世界のロングボードの試合について、私の経験談も含めご紹介します。
ロングボードの世界戦の種類
サーフィンにはいくつかの団体があり、主催が異なる世界戦が存在します。現在のロングボードの世界戦の種類は主にWSLとISAがあります。
WSL(ワールドサーフリーグ)
WSLは(ワールドサーフリーグ/World Surf League)の略であり、サーフィンのプロツアーを運営する組織で、世界最高峰のプロサーフィンツアーと言われています。
年間に数戦世界各地で行われる予選に参加し、獲得したポイントのランキング上位の男女18名ずつがWLT(ワールドロングボードツアー/World Longboard Tour)と呼ばれるロングボードの世界チャンピオンを決める試合に参加できます。
数年前まではWLTの出場権は世界のエリアごとで代表が決められていましたが、最近では国、地域の予選ではなく統合されました。今年の試合では女子は18人中12人がアメリカ国籍の選手でその中のほとんどが10代の若手選手です。
ルールは毎年変化しており、2021年よりWLTの上位10名が来年のWLTのシードを獲得できることになりました。
シードを獲得すると、世界各地で行われる予選に参加せずに2022年度のWLT世界戦に出場できることになります。来年の世界戦のスケジュールの発表はまだですが、アメリカで2、3戦行われるといわれています。
ISA(国際サーフィン連盟)
ISAは(インターナショナルサーフィンアソシエイション/international surfing association)の略であり、アマチュアサーフィンを統括するスポーツ組織と言われています。
ロングボードは、毎年開催されるわけではありませんが、世界各国男女2名ずつ参加することができます。
私は過去に2回日本代表として参加しました。その時の選考方法は、NSA(日本サーフィン連盟)アマチュアから男女1名ずつ、JPSA(日本プロサーフィン連盟)から男女1名ずつ選考されていました。
32各国104名と参加人数が多いので過去の試合で1番ヒートの数がある試合でした。ロングボードのISAの試合が次にいつ開催されるのかわかりませんが、世界のいろんな選手と出会える試合なので楽しみです。
2021年度の世界戦
WLT(世界戦)に、男女18人限定に選ばれたので、カリフォルニアで行われたサーフランチとマリブの試合に出場してきました。
コロナの影響で2020年は試合が1戦しか開催されなかったため、2019年度の世界ランキング上位18名が2021年度のWLTに選考されました。
2021年度のランキングの試合は、2020年にオーストラリア・ヌーサ行われた試合と、2021年に行われたWLTのカリフォルニア・サーフランチ、マリブの結果で世界チャンピオンが決まることになりました。
SURF RANCH(サーフランチ)
アメリカのフォルニア州レモーにあるケリー・スレーター・ウェイブ・カンパニー(KSWC)による人口サーフィン施設、ウェイブプールのことをサーフランチと言います。
サーフランチはケリースレーターが10年かけて作り、1日稼働するのに、5万ドルほどかかると言われていてパーフェクトな波が作られます。
1本の波の後に,約6分間は海面が落ち着くのを待つ時間が必要になっていて1日に作られる波は限られますが、日が暮れても大型電気があるので、夜でもサーフィンが可能です。
ショートボード最高峰の試合、WCTの会場にもなったこのウェイブプールで初めてのロングボードの世界戦が行われました。
今大会では、リーダーボード形式が採用され、それぞれライトとレフトの2本ずつを乗り、ライト、レフトのベストスコアで順位が決定されました。
実際に波にのって見るとサイズも頭ほどあり、パワフルでした。
自然の波とは違って、波に乗っているスピード感は感じているのに景色はかわらない、(横に滑っているのに柱との間隔は変わらない)不思議な感覚でした。
ウェーブプールは全て同じ波と思われますが、今回の大会で見ていて、風の向きや強さによって、波質が少し変わっているように感じました。
いつものサーフィンの試合とは全く違う感覚の試合で、4本で決めないといけないプレッシャーもありとても集中力が必要でした。
ウェーブプール以外にも海での試合も勿論ありました。
MALIBU(マリブ)
マリブはロサンゼルスの西に位置するビーチでロングボードの聖地と呼ばれ、ロングボーダーなら誰しもが1度はサーフィンをしたいビーチです。
マリブのピアのすぐ脇がファーストポイント、隣がセカンド、さらに奥がサードと呼ばれています。
ファーストポイントは、ライトのリーフブレイクで、ロングボーダーに適しています。
普段は、たくさんのサーファーで賑わっており、なかなか波を捕まえることが難しい有名なビーチですが2日間貸切りで試合がおこなわれました。
潮の満ち引きで波のコンディションが変化し、セットが数本しか入らないヒートもありましたが、マリブの最高峰のクオリティーの波で試合に出場できたことは本当にいい経験だったと思います。世界の有名な選手達のライディングを目の前で観れて、とても勉強になりました。
久しぶりの海外戦でたくさんの刺激をもらい、さらに来年のシード権も獲得できたので、モチベーションもあげることができました。
来年の世界一へのスタート地点に立てたので、サーフィンをたのしみながらレベルアップします。
来年のロングボードの世界の試合にも注目していただけると嬉しいです。