女性サーファーに気をつけて欲しいこと
こんにちは。プロサーファー水野亜彩子です。
今回は女性サーファーに向けて私が身を持って経験した体を冷やさないことの重要性について書かせて頂きます。
女性だけではなく男性にも是非読んで頂きたい内容となっています。
サーフィンは海水の中で行うスポーツなので常に水に浸かっています。
自覚が無くても身体が冷えてしまっていることが多いです。
冬はもちろんですが、夏も水着など身軽な格好でサーフィンをするので年間通して冷えています。
私自身、生理痛が酷く身体がしんどい時もありましたが、生理以外の時は痛みや不調を感じたことが無かったので、気にせずサーフィンを行い選手時代は国内外の試合を転戦する生活を過ごしていました。
目次
遠征先で突然の不正出血
2015年1月、中国の海南島でWSLのQS6000の試合があり初めて海南島へ行くことに。
到着してみると事前に調べていた気温よりも寒いにも関わらず、ホテルのシャワーが水しか出ない!というアクシデントに見舞われました。
何とか、ポッドで沸騰させたお湯と半々で浴びたりと知恵を出しながら、一緒に来ている選手と試合に向けて調整をしていました。
そんな中突然、不正出血が。
元々、生理不順だった為生理が遅れることも多々ありましたが、この時は生理は既に終わっていたので、それから一週間後にまた出血したことは初めての経験でした。
生理が終わった後だったこともあり、ナプキンを遠征先に持って来ておらず・・・。
一緒に試合に出場し生活を共にしていた武知実波選手に事情を話しナプキンを分けてもらうことに。
特にお腹の痛みも無いし出血も生理の時のような量では無く少量だったので、この出血は何なのだろう?と疑問に思いながらも試合も始まり、あまり深く考えないでいると3日程で出血は止まっていました。
帰国時には出血をしていた事なんて忘れていましたが、武知実波選手にちゃんと病院行ったほうが良いよ!っと言われ帰国後、時間があったら病院へ行こう。くらいの感覚でいました。
病院で知った衝撃の事実
今まで産婦人科へ行ったことが無く、何となく行きづらいイメージがありましたが自分の中でも何が原因で出血したのか気になっていたので近所のレディースクリニックへ向かい出血があったことを説明し診てもらいました。
そこで医師に「卵巣に腫瘍が出来ているね。」と衝撃的な事実を告げられ、「ここでは診れないから、大きい病院に詳しく検査を受けに紹介状を書くから行ってね。」と私が言葉を発する前にスラスラと医師が話すことをぼーっと、へぇーそうなんだ。と他人事のように聞いていました。
そこからは紹介された大きな病院で様々な検査を受け、結果を見ながら医師から
・左右の卵巣に7cm前後の腫瘍があるということ。
・もしかしたらこの腫瘍が悪性の可能性があるということ。
を言われ、「この大きさなら手術をしましょう。」ということを最終的に告げられました。
正直、不正出血以外の身体の不調は無いし自覚症状が無い中で告げられた自分の身体の中で起きていることが不思議で仕方ありませんでした。
試合を優先することを決意
1月とシーズンが始まってすぐに卵巣に腫瘍があることを突きつけられましたが、前年の2014年にJPSAで年間ツアーランキングで2位になり、今年こそは!と勝つことに対して、チャンピオンになる!という気持ちでオフシーズンも調整していたので、どうしても試合に出たいという気持ちが強く、先生にシーズンが終わってから手術をしたいと伝えました。
先生からは卵巣に出来た腫瘍で、卵巣が重くなり本来の位置よりも下がっていて、卵巣と子宮を繋ぐ卵管という管が何かの反動で捻れてしまう場合がある。
そうすると卵巣に血液が流れないため激痛が走り処置が間に合わなければ卵巣が壊死してしまう場合がある。
そうなった場合は腫瘍だけでは無く卵巣自体を取り除く。と言われました。
この卵管が捻れてしまうのはどのタイミングでなるのか全くわからず、自転車を漕ぎ出す際に少し力を入れただけで捻れてしまった。なんて実例もあると言われたのですが。
このシーズンにかけていた、私はサーフィンの試合を優先しシーズンごに手術することをお願いしました。
この時は自覚症状も無かったということが、試合を優先するという選択をすることが出来たのだろう。と今となって思います。
定期検査をしながらのシーズンを過ごす
それからは定期検査を受け腫瘍の大きさを確認しながら試合に挑むという今まで経験したことないシーズンを過ごしました。
シーズン中、身体の不調を感じることは一度も無く予定通り全ての試合に出場しシーズンを無事終えるとが出来ました。ただ、少し遠い試合会場だともし卵管が捻れてしまった場合卵巣が壊死してしまう可能性がある。ということで処置が間に合わなかったり、周りに迷惑をかけてしまったらどうしよう。と思うことがありました。そして、定期検査では何を言われるのか。試合に出れなくなってしまうのではないか。と不安になりながら病院に通っていたのを覚えています。
全ての試合が終わりが終わり手術へ
この時の心境はシーズンが終わった直後という事もあり自分の身体の事よりも試合で結果が残せなかったことの方に気持ちが落ちていました。
しかし今思えば若さゆえのこの気持ちだなと思います。
無事だったから良かったもののの、もし万が一のことを考えるとゾッとします。
その後、手術の準備を行い手術当日を迎えました。無事に腫瘍のみの摘出に成功し、開腹手術では無く腹腔鏡手術だったので約一週間の入院生活で問題無く退院することが出来ました。
摘出した腫瘍を調べると、「卵巣のう種」という良性の腫瘍で20代〜30代の方が発症しやすい病気だそうです。原因ははっきりとは分かっていないそうですが、冷えも良くないとのことでした。
腫瘍が小さい時に見つけられれば手術をせずに経過観察という形を取ることもできるそうです。
一人で悩まず病院へ
産婦人科へ行くことって気が引けてしまう方も多いと思います。症状が無ければ尚更ですよね。
卵巣はサイレントキラー(沈黙の殺し屋)と何とも怖い異名を持つ臓器だそうです。
この異名は自覚症状がないことが多く気がついたら進行してしまっているケースが多いからだそうです。
人と比べることが出来ないので自分の判断でこの生理痛の痛みは当たり前。出血の量は当たり前。と思ってしまいますよね。それでも、普段の生理痛、出血の量でも何か違和感を感じたり、不安がある場合は自分の判断では無く受診することを強くお勧めします!
そして、思っている以上に身体は冷えています。夏場でもお湯に浸かったり、常温や白湯を飲んだりと身体を冷やさないように自分の身体に優しく耳を傾けてあげて、長くサーフィンライフを楽しんでいただけたら嬉しいです。
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