初心者、中級者のボード選び

プロロングボーダーのJulian Hopkinsです。

ここ最近、周りの人からサーフボードの相談を受けることが何度かありましたので、今回のコラムでは初級者にお勧めのサーフボードと中級者が普段の波でもっとサーフィンを楽しめるサーフボードについて私なりの考察をご紹介していきたいと思います。

はじめに、初めにこの記事は普段ヒザモモなど小さい波のコンディションの多い湘南エリアを念頭に書いています。

初心者に関しては、単純に浮力が大きくて浮くだけのボードではなく、ちゃんと板のコントロールの仕方を覚えることができて、上達するまで長く向き合えるボードが必要になってくるかと思います。

私も元々はたくさん波にのることの出来るロングボードが初心者に良いのでは思っていましたが、9フィートというとやはり長さがあるので、パーリング(テイクオフしたあとにボードの先端が水に刺さってしまい派手にワイプアウト)してしまう方を頻繁に見かけており、ロングボードも実はそんなに初心者フレンドリーな乗り物ではないのかもしれないという疑問をなんとなく持っていました。

先日たまたま8フィートの板に乗せて頂く機会があり、そこで気づいたのですが、自分の身長(180センチ弱)だとこの8フィートという長さは実は長すぎず短すぎず非常に良い塩梅だなと感じました。9フィートの板だとパドルするときに自分が乗るべき位置がなかなか定まらない(前に乗りすぎ、あるいは後ろすぎ)初心者の方を良く見かけますが、8フィート、もしくは自分の身長プラス2フィートぐらいの長さですと、ロングボード並みの安定感がありながらも、パドルの時に乗るべき位置が感覚的につかみやすいと思いました。

幅や板の形に関しては、恐らくロングボードの長さをそのまま縮めたような形のボードがパドリングもライディングの時も安定感があって乗りやすいと思います。

あとは板のロッカー(板の反り具合)に関しては適度に反りがある方がパーリングを起こしにくいので、適していると思います。あまり反りが強いと板の速度が遅くなるので、特に小さい波を意識している場合にはおすすめしません。

板のボトム(海面に接する部分)形状に関しては、極端なコンケーブなどの入っているものは避け、シンプルなVボトムなど扱いやすい形状のサーフボードがおすすめです。

画像参照: https://www.boardcave.com/the-surfers-corner/surfboard-bottom-contours/

フィンに関してはアレンジのきくシングルスタビライザーが適しているかと思います。

最後に素材に関してはEPS素材の方が軽く仕上がり、特に初心者の方は扱いやすいと感じるかもしれませんが、板をぶつけて壊してしまったときに通常のPUフォームと比較して水をボードが吸収してしまって、乾かすのが困難かつ剥離等のダメージが発生してしまう可能性があり、修理に時間がかかってしまうので、色々プロコンを考えるとPUフォームの方が無難かもしれません。

画像参照: https://alohaboardshop.jp/a/21302

次に中級者に関してですが、良く見かける例としては、コンペ用のハイパフォーマンスなショートボードでサーフィンを覚えてきたため、パドル力はしっかりついているのですが、上半身の動きで板を振り回してアップスンダウンすることを覚えてしまい、ちゃんとしたレールを入れたターンというサーフィンの基本的な部分が抜けてしまっているケースです。常に胸サイズ以上の波が割れているような地域ですと、このようなボードでもしっかりとレールターンの習得ができると思うのですが、湘南など波の小さいエリアではなかチャレンジングだと思います。

そうゆう方には、ミッドレングス?(少し長めの板)で普段乗っているボードより浮遊感のあるものが良いのではと思います。小さい波でもスピードが出るので、1回のセッションでレールを入れたターンや板の基本的な取り回しにチャレンジできる機会が増えて、今まで気づかなかったサーフィンの新たな魅力や楽しみが見えてくるのではと思います。このような基本動作をしっかり踏まえた上で、波のある時に普段のショートボードに乗って頂くと、きっと上達を感じられると思います。

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