大橋海人pick’s:水 プロサーファー松野陽斗

こんにちは。プロサーファーの松野陽斗です。

今日は水の話をしたいと思います。

水は生きていく上においても、日常生活の中でも、欠かす事のできないと言うか、身近にありすぎてそんなことも思わないくらい当たり前な存在ですよね。

実際に花屋で働いている日もたくさんの水を使います。

苗に水をあげたり、切花の水を交換したり。

そんな当たり前な存在の水に、一番と言って良いほど密なスポーツってサーフィン以外にないと思うんです。

photo by kenta kawana
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それも自然本来なもので。

率直に、どんなすごい技をする人でも、ビッグウェーブに乗る人でも、水をどれだけ知っているかがそのサーファーの根っこになる気がするんです。

|8年前に初めて行ったオーストラリアにて

この時に自分は衝撃を受けたことがありました。

10代で体も動く自分より、ピークから乗ってきた白髪のオージーの方が純粋にサーフィンが上手いと思ってしまったんです。

技のキレがどうこうとかではなく、本当にただのターンなんです。

ただのターンなのに綺麗で、波に合わせた身のこなしや緩急、全てそこの波を知っているが故の合わせなんだと思わされました。

当時ノーズにステッカー貼って、アマチュアのコンテストに出ていた自分にとって

サーフィンの上手さってなんなんだろう”

と思わされた出来事でした。

そのことがあってからは技もそうだけど、もっと水のことを知ろうと思いました。

そして、波ではなく水に焦点を当てたのには少し意味があって、もっと大きな自然のくくりで海を見られたらいいなと思ったからです。

|波以外の水の動き

サーフィンに影響を与えるという意味では、水の動きはとても重要です。

photo by kenta kawana

例えば、同じ場所でも寒い日と暑い日で水の柔らかさが違うように感じることってないですか?

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今日は水面が硬いなとか。
隣同士のポイントでも水の量が違ったり、うねりの大きさが違ったり。

そう思うと水ってすごくデリケートだなって思うんです。

それに加えて風、潮、海底が砂なのか岩なのか、台風と低気圧のうねりの違いだったりと、波を形取る要因って色んな力があって、それらが一度に合わさって毎回複雑な力のはたらきをするんです。

だから同じ波は無いっていうのは本当に文字通りなんですよね。

そして実際に乗っている間は水の感触によって力加減も変わってくるし、アプローチの角度も変える。

photo by kenta kawana
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南風が吹いたら細かくうねりのコブに合わせるし、サーフボードも波に合わせてチョイスしますよね。それくらいサーフィンは水に対してとても繊細なスポーツだと思うんです。

何を言うより難しい理由はそこで、あくまでも受け身であり、水の動きと変化があってこその体の動きなんだと思います。

|最後に…

以前海人君に

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”海と友達になるんだ”

って言われたことがあります。

今思うと、すごく海人君らしいシンプルな言葉だけど、自分が今回のコラムで伝えたいことと同じ意味を持ってると思います。

水が持つやわらかさ、激しさ、呼吸のできない怖さ。

どんなすごいサーファーもその場のその水の感覚をキャッチしようとして色んな海に挑んできた経験があるから、今の彼ら彼女らなんだと思います。

まだまだ自分にもたくさん課題があります。水のことを自分なりに思うことがあるだけで、もっと奥の方に意識を向けてる人もたくさんいると思います。

自分たちサーファーにとって水との関わりはとても深いです。

サーファーである以上、水の流れを読むことが長い課題だとしたら、

色んな海の色んな水に触れ、色んな波に乗ることが自分の根っこを広げる栄養になると思っています。 

同じ波が無いのなら、サーフィン人生全て課題に追われそうですね。

ご拝読ありがとうございました。

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