
ロングボード / ミッドレングス フィンの選び方
海外のプロサーファーのフィンセッティングを見ていると、センターフィンに対して結構ボリュームのあるサイドフィンを組み合わせているのをよく見かけ、私はそういったパワーサーフィンに憧れているので、この1年ぐらいはなるべく大きなフィンをつけるようにしてサーフィンをしていました。
ボードに対してフィンのボリュームが増すと、自分の印象としてはノーズライド時の安定性(テールが波にしっかりロックされてスピードの出る感覚)、パドルやライディング時の直進性とスピード、ターン時のドライブ(ターンから得られる加速性)は向上するイメージですが、一方でターンによる回転半径が大きくなり、クイックに板を動かすことやラインの細かな微調整が困難になる印象です。
海外の波の様にフェイスが大きく、太いドライブのきいたラインを描ける様な波では大きいフィンがマッチすると思うのですが、日本の波のようにコンパクトである程度クイックなボードコントロールも求められるコンディションでは、もう少し小さめのフィンでルースなセッティングがマッチするように最近は思えてきました。
そもそもフィンの大きめと、小さめについては、私はセンターフィンの大きさではなく、あくまで3本のフィンの合計の面積で大きい、小さいを判断しています。
また同じ様な面積のフィンでもベース(板に一番近い部分)の幅が広かったり、フィンの素材が固かったり、サイドフィンに関してもフィンの内側にフォイルが入っていたりすると、安定性やドライブ性が増し、見た目の面積以上に「大きい」フィンのように感じられる場合もあるので、あくまでライディングしていてどれだけ抵抗を感じるかで「大きめ」のセッティング、「小さめ」のセッティングと自分の中で整理しています。
更にはシングルスタビライザーの場合、フィンの組み合わせに加えて、センターフィンを前後に動かすことによる微調整も可能です。
フィンボックスの中で後方に動かすことで、よりドライブ感が得られ、前にずらすとよりクイックな動きがしやすくなります。
私の場合は板の中央からもレールを使ってある程度ボードをコントロールしたいので、あまりフィンを後ろに下げるということはせず、ドライブ性を上げたいのであれば、フィンを大きくしてその感触を得られるようにしています。
|それぞれの板に合うフィンとは
まわりの友人達にこの長さの板だったらどれぐらいの長さのフィンが合いそうかと聞かれることがあります。
何フィートの板だったらだいたいこれぐらいという目安は、フィンを製造しているメーカーのホームページにも書いてあったりもしますが、板は長さ以外にもテールの幅やレールの形状、どのようなコンケーブが入っているか、フィンボックスがついている位置等でどういったフィンがマッチするかはかなり変わってくると思います。
ですので、初期投資は必要ですが、センターフィンは1インチきざみぐらいで少なくとも2〜3種類、サイドフィンも大、中、小と3種類ぐらいは所有し、それぞれの組み合わせを試しベストなフィーリングをご自身で見つけていくしかないのかなと思います。
まだ、フィンの違いなんて分かるレベルじゃないと思われている方もいるかもしれませんが、例えばサイドフィンを変えずにセンターフィンだけ1インチ小さくしたらパドル時になんとなくテールがぶれやすい感覚が生じたりとその辺は体感できるかと思います。
板と同じぐらいフィン選びも重要だと思いますので、今言ったその感覚からスタートして、自分のしっくりくるフィンを探求して頂ければきっと道具に対する理解も深まり更にサーフィンが楽しくなるんじゃないかなと思います。
|最後に
私は長年サーフィンをやってきた中で、気付いたらとんでもない数のフィンをコレクションしてしまっていました。(笑)
最初はお金は掛かりますが、フィンは板よりも丈夫で長持ちもし一生ものですので、好奇心をもって少しずつ色々変化を試して頂ければと思います。
私の車の中に常時積んであるロングボード用のフィン。