ウェットスーツ入門:Julian Hopkins

今回のコラムではサーフィンを始めたばかり、もしくはこれから始めようと考えている方向けにウェットスーツの基礎をお届けしたいと思います。

私が中高生の時にサーフィンに没頭していった頃、ウェットスーツの袖丈によって名称が異なるのは心得ていたのですが、
例えば「ラバー」、「ジャージ」、「セミドライ」等と言った用語に関してはさっぱりだったので、今回は超入門編として私が知っているウェットスーツの基本的な知識を網羅していきたいと思います。
サーフィンを数年やっていると聞き慣れてしまう専門用語が実は多いので、今回はその辺をしっかり考慮してご説明します。

まず、袖丈によって色々な名称があります。
オーソドックスなところで言うと4タイプに分けられます。
フルスーツ
(長袖、長ズボンのサーフィンを知らない人が想像するであろう所謂ウェットスーツ)
シーガル
(半袖、長ズボン、外気温が暖かく水温が低い春先に主に着用するタイプ)
■ロンスプ
(長袖半ズボンで、反対に水温が暖かく外気温が低い秋の時期に主に着用するタイプ)
■スプリング
(半袖半ズボン、暖かい時期に着用するタイプ)

そしてこれらに加えて、「ロングジョン(ノースリーブ長ズボン)」、「ショートジョン(ノースリーブ半ズボン)」なんかもあります。
特にロングジョンはクラッシクなスタイルを好む、サーファーに人気があるお洒落なタイプのウェットスーツです。
気をつけないとタンクトップ型に綺麗に日焼けをしてしまうので、その辺は要注意です。

加えて「タッパー」というタイプのウェットスーツもあります。これは上半身だけの物を指し、主にボードショーツ(海パン)と合わせる為のスーツになります。
この、タッパーにも長袖タッパー、半袖タッパー、ベストと言った複数種類があります。

という風にウェットスーツの丈の異なるバリュエーションだけでも、ざっと9タイプあります。

https://www.rashwetsuits.com/PDF/RASH2020SS.pdf より抜粋

次に生地に話しを移します。
一般的な話になりますが、今ご紹介したタイプのスーツは恐らく3ミリがスタンダードな厚さで、この他に2ミリというのも比較的一般的なチョイスとしてあります。
生地の1ミリの差で防寒性がかなり変わり、暖かさを諦めて薄い生地にすることにより、動きやすさも格段とアップします。
サーフィン熟練者で色々なタイプのウェットをそろえている方は用途に応じて生地の厚さをセレクトしたりします。

もう一つ言及するなら、ウェットスーツの表面の生地でも2タイプ、「ラバー」と「ジャージ」があります。


私が初めて聞いた時に一番想像つかなかったのはこの用語でした。
ラバーはつるつるした光沢のあるゴムの様な生地で風を通しにくい素材、ジャージは表面が布のような素材です。

左がジャージ、カラーバリュエーションが豊富です。右の光沢のある生地がラバー、風を通しにくく、クラシックロガーにも人気のクールなウェットスーツ。

次に冬のウェットスーツに関してですが、主にセミドライドライスーツというタイプがあります。
サーフィンを始めた頃、これらの存在を知らずに、上述のジャージ生地のフルスーツで冬を越した経験があります。
今考えるとゾッとします。
真冬に着るウェットスーツに関してはもちろん形はフルスーツタイプになりますが、これに加えて生地は冷たい風を遮断する為にスキンになっており、首元、手首、足首は水が外から侵入しにくいようにする為の細工が施してあり、裏地はカーペットの様な起毛となっており、体温の上昇により生地自体が発熱するタイプのものもあります。

余談ですが、私が長年愛用している

RASH Wetsuits( https://www.rashwetsuits.com/2021CW/)では技術の進化により、近年では真冬でもジャージ生地でのサーフィンがスタンダードになりつつあり、お陰で冬の波も待ち遠しく、大変助かっています。

画期的な真冬用のジャージのウェットスーツ。RASH Wetsuitsより

ドライスーツに関しては更に極寒の地で使用する為にできており、ブーツ一体型となっていることも多く、一切水の侵入を許さない仕様となっています。そのため、中にトレーナーやスウェットを着用してサーフィンをすることも可能です。

更に寒い時期には、ウェットスーツ素材で作られたグローブ、ブーツ、ヘッドキャップ等、ウェットから露出している部分を保温するためのアイテムも色々とあります。

極寒用、ドライスーツ+フル装備。RASH Wetsuitsより

このようにウェットスーツも、馴染みの無い人が思うよりもかなり奥の深い世界となっています。これからの寒くなる時期に参考にしていただければと思います。

冬用のウェットスーツに関しては全身を採寸してフルオーダーで、水が入りにくくかつ動きやすい物を手に入れられることをおすすめします。

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