松野緑店【プロサーファー 松野陽斗】
目次
はじめに
こんにちは。
プロサーファーの松野陽斗です。
今日は、普段僕のコラムを読んで下さる皆様にこの場を借りて、近況報告をさせて頂ければと思います。
この度自身で「松野緑店」を始めることになりました。
基本的には生花をメインで活動していくことになるのですが、まだ実店舗も無く、オーダーを受けてから仕入れ・製作という形で進めていければと考えています。
緑店の理由
まず初めに、なんで「緑店」なのかを説明しますね。
特に決まりは無いのですが、普通生花の仕事をされてる方は〜生花店だったり、〜flowerと花という言葉をキーワードに屋号を決める方が多いと思います。
自分もその線で決めようか迷いましたが、最終的に「緑店」に踏み切った理由があります
以前の記事にも書かせてもらったのですが、自分が花屋で働き出してからは変わった植物と出会う機会がとにかく増えました。特に僕が働いていたお店では色とりどりの花だけではなく、緑にまでスポットを当てているかのようなお店でした。
季節ごとに変わるその時期の色は、花屋においても実生活においても花と同じくらい緑がそれらを知らせてくれることを教わりました。
また、自分がサーフィンをしていて出会ったオーストラリアという土地も深く関係しています。
花より緑の方が目の中に入ってくるくらい特殊な植物や緑のスケールに驚くのですが、ささやかな植物も含めてそれらがひっそりと森の中で息をし、主張することなくある姿が自分にとってとても魅力的でした。
そうやって自分が触れてきたものたちをきっかけに、「緑店」という屋号に至りました。
花がそっちのけの様に聞こえてしまいがちですが、もちろんお花も大好きですよ!笑
小花からワイルドな花まで取り扱っていくわけですが、それらを合わせるときに使うグリーンにも、脇役ではなくスポットを当ててあげたい。
むしろ、個性と個性を馴染ませる存在としてグリーンは欠かせないんです。脇役に収まって欲しくはないから、名前を全面に出させてもらいました。
意識を変えた言葉
以前から自分で花の仕事をしたいなと思っていたのですが、ずっと気持ちが継続していたわけではありませんでした。
花の仕事をしている人なら感じたこともある人はいるかもしれませんが、実際に自分は自然自体も好きだったからなのかもしれませんが、生きているものを切って商売として頂くことに少し抵抗がある時期がありました。
お花をもらって嬉しい人はたくさんいると思うし、可愛いと愛でてくれる方も多いと思います。
お花から癒しを受け取る人もいる中で、自分の中で人間のエゴのために生き物の命を頂くことに胸がつっかえる時期があったんです。
何年かそう感じながらも花の仕事を続けている中で、なかなか答えが見つけ出せずにいた時に、ある花屋の人が言っていたことがとても印象に残っていて自分が抱え込んでいた感情が少し楽になったんです。
それは、”花屋には自然の良さを伝える使命がある” といったような内容でした。
自分が見てきた植物たちの世界、自然を大切にすることを、自分たちが作ったものを届けることによって少しでも感じて欲しい。そういった趣旨からの言葉であって、そう思えるきっかけとして花屋の存在理由もあるのではないか。という解釈なのかなと思います。
それを裏付けるように実際に花の業界でもサステナブルが進んでいることも事実です。
その言葉は自分の中で大きく響いたのと同時に、自分だけがそう思っているわけではないんだと勇気付けられた感覚でした。
終わりに
今後は独立して一人でやっていくことになるのですが、自分がプロサーファーとして活動してきて、花屋として働いてきた以上、自分にしか伝えられない植物の良さもあるのではないかと思っています。
微々たるものではあると思いますが、自分がお届けする植物に手で触れ、世話をして頂いて、成長していく姿や枯れていく過程を見た時に、何かを感じれるきっかけになればと思います。
そしてそれがどんな形でも良いから自然に還元されていってくれれば幸いです。
自然が好きな人にゴミを捨てる人はいないですからね!
プロサーファー、松野緑店としての自分を今後ともよろしくお願いします。