誰もが目を引く大技、エアーを解説!【美女プロサーファー 水野亜彩子】
目次
はじめに
皆さん、こんにちは。プロサーファー水野亜彩子です。
先日行われた2020年東京オリンピックにて初めて実施された追加種目サーフィン。
日本人選手の大活躍で男女共にメダルを獲得しました。
強豪国、更には強豪選手がいる中、ハードなコンディションで男女共にメダルを獲得した国は日本だけでした。
私を含め感動をした方が多かったのではないでしょうか。
そして、サーフィンをチャレンジしてみたい!試合ってこんなに面白いんだ!
と思うと同時に、もっとサーフィンのことを理解して試合を楽しく観戦したい!と思う方も増えたのではないでしょうか。
サーフィンは同じ波は来ないので比較しづらい部分もあると思います。
今回は、オリンピックでも注目されたエアーという技について採点をつける際のポイントをご紹介させていただけたらと思います。
エアーの種類ってどれ位あるの?
Photo by WSL/PAT NOLAN
エアーといっても様々なエアーがあります。数え出したらキリがないのですが主なバリエーションを、いくつかご紹介していきます。
・Straight Air ストレートエアー
回転などせずに真っ直ぐに飛ぶこと。
・Air Reverse エアリバース
板を返す向きに空中で進行方向に回転すること。
・Air 360 フルローテーション
着水時に360度回転、岸を向いている状態で着地するエアー。
・Alley Oop アーリーウープ
エアリバースと逆方向に回転すること。
・Frontside Grab フロントサイドグラブ
エアーの最中にグラブ(サーフボードを手で掴む)すること。
・Double Grab ダブルグラブ
エアーの最中に両手でグラブ(サーフボードを手で掴む)すること。
・Superman スーパーマン
エアー中にダブルグラブして、ボードを足から離しスーパーマンのように身体を伸ばすこと。
・Lien Grab リーングラブ
エアー中に前方の手を、かかと側(身体の後ろ側)のレールをグラブすること。
・Rodeo flip ロデオフリップ
バックサイドエアー時にダブルグラブし、縦回転と横回転を同時にするという3Dに動く大技のエアー。
まだまだ沢山の種類のエアーがあり種類が増え続けていますが、これからもウェーブプールの普及で難易度の高いエアーが増えてくるのが楽しみです。
同じエアーでもどこをジャッジは見ているの?
Photo by WSL/RYAN JANSSENS
オリンピック準決勝で日本代表、五十嵐カノア選手がワールドチャンピオンの経験があり、今シーズンのCTでも断トツで1位に位置づけているブラジル代表ガブリエル・メディーナ選手から見事大逆転を果たし決勝に駒を進めましたが、逆転となったライディングで披露したのはフロントサイドフルローテーション。今や男子はもちろん女子も試合でライディングの構成に組み込まれてくるエアー。
先ほど紹介したように、エアーの難易度は上がりエアーでも色々な種類があります。
ジャッジはどのような部分を見て点数をつけているのか。エアーの技に入るまでのスピード、ボトムターンの深さ、そしてエアーの高さなどもありますが、その他に高得点の鍵となるポイントを3つに絞ってご紹介していきます。
高得点の3つのポイント
①波から飛び出すセクションがどのようになっているか
エアーという技は、波のリップから飛び出すことを指しますがこの波の飛び出す発射台となる部分がとても重要になっていきます。
発射台となる波が緩やかな部分だとスピードも付きませんし、高さも出すことが難しくなります。また、エアーリバースでしたら回転がどうしても横回転になってしまいます。
ジャッジが評価の一つとして見ている難易度を考えてもなだらかな斜面よりも掘れている急な斜面の方が難易度も上がりますし、攻めていますよね。成功率を上げる鍵となってくるスピードを出すためにもエアーを仕掛けるポジションは掘れているセクションが重要になってきます。
Photo by benreedphoto
②エアーリバースでもフルローテーションが高得点の鍵に
エアーリバースは空中で回転をする技ですが、エアーリバースには着地する時点では180度で着地してから波の力をうまく利用して180度回転しノーズが岸に向いていても良いのですが、フルローテーションは空中で360度回り切ってから着地しなければなりません。
なので、エアーをする前のスピードに加えて自分の身体を使って空中で360度回転しないと行けないので上半身と下半身の連動性が特に大事になっていきます。
写真を見ても下半身よりも上半身が先に動いていて身体の真下にサーフボードがありますよね。また膝が曲がっていることで着地した時に膝がクッションがわりになって衝撃を吸収してくれます。
photo by waterworkmedia
③テールが空の方を向く事がポイントに
テールハイとは、エアーをした際にサーフボードのノーズが海の方、下を向き、テール(サーフボードの後ろ側)が上を向いた状態のことを指します。この写真も後ろが高くなっていますよね。このままエアーリバースをする際は岸の方からサーフボードのボトム、フィンがついている裏側が正面を向くことで横回転のエアーリバースから3Dにサーフボードが動く為難易度が上がり高得点に繋がります。
この写真のアメリカ代表ジョンジョンフローレンス選手も横から見るとしっかりと身体の下にサーフボードがありますよね。身体の軸の重要性が伺える写真です。
Photo by waterworkmedia
最後に
今回は高得点に繋がるエアーのポイントをご紹介させて頂きました。
ぜひ皆さんも、エアーの高さスピード以外にも、エアーリバースだったら空中で360度回り切っているか、そして回転している時にサーフボードの後ろ側ノーズが上に上がり、サーフボードの裏面が岸を向いてフィンが見えているか。などを注目してみると同じエアーでも違いが分かってくると新しい観点でサーフィンが見れてサーフィンの魅力が深まるはずです。
今は試合以外でも各選手のSNSのアカウントで難易度の高いエアーを乗せているので、チェックしてみるのはいかがでしょうか?
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