KNOTが作る世界との結び目。

COVER PHOTOS BY KENYU TAKAHASHI
writer by akito matsuno

–劇的な締め括りとなった

KNOT ONLINE CONTEST予選決勝。

優勝した飯田航太を加え、2021KNOT PROJECT最終段階へと駒を進めた。–

サーフ業界に彗星の如く現れた、2021KNOT online contest。まさに我々が望んでいたような結果となった予選,

そして決勝。
9月の台風スウェルが茅ヶ崎のビーチに押し寄せる中、発起人大橋海人を含む、審査員小林直海・森友二、その他現場にいた飯田航太のパフォーマンスを目撃した全員が感動したことがつい先日のように思える。

あれから半年。

本来ならば、インドネシアへの最終フィナーレである優勝トリップのスケジュールであったが、コロナウィルスの影響でなかなか海外トリップの段取りを組めずにいた。
発起人と事務局は話し合いを重ね、アメリカからの往来の方が海外ゲスト達が呼びやすいという結論になり、コロナウィルスへの規制が他の国と比べて比較的緩いメキシコが今回の優勝トリップの場所地となった。

少し前に大橋海人がアメリカへ渡り、世界的フリーサーファーのDane Reynoldsと交渉していたのだが、とにかく多忙な彼とはスケジュールが合わず断念。

残念な気持ちもあるが、同時にフリーサーファーが多忙であるというDaneの状況に、KNOTを継続していく先に日本でも彼のようなスーパースターであるフリーサーファーが現れて欲しいと思わされた。

急遽新たなゲスト2名を加えたメキシコトリップが始まったのだが、是非現地の様子は大橋海人のyoutube channel・クルーと同伴した久米大志プロのコラムからお楽しみ頂ければと思います。

KNOT開催で感じた選手の変化

今回私が伝えたいのが、第1回目のこのプロジェクトを通じてU-15、本選と選ばれた選手達に共通するサーフィンへの姿勢である。

飯田航太が予選優勝したことによりどんなサーファーが日本の最先端でフューチャーされるのか。
新しい可能性が見えてきた中、各自自身のサーフィンと向き合うきっかけができたのではないかと思う。

何をどうすれば良いのか具体的なスキルのノウハウや戦術以外にも、特に若い世代のサーファーたちにはこうなりたいという理想像や、肌で感じる緊張感が成長のバネに繋がっていたのではないだろうか。

また優勝者である飯田自身も、プロサーファーとしての活躍の場が広がり、SNSでの反響も増えたという。
フォロワーやスポンサーの増加そして、最近では世界的なサーフメディアであるSTAB magazineのInstagramにも初登場した。

PHOTOS BY KENYU TAKAHASHI

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特に私自身彼に関心を持ったことが、アグレッシブなサーフィンをスタイルフルなライン取りでこなす姿からは想像できないほど、謙虚で言葉選びのセンスに優れていたということ。

KNOT本選の様子を収録した現場でもしっかり自分の言葉で話していた彼は、QUIIVERにて掲載されている彼が執筆したコラムを読んでいても、飯田にしかできない経験を彼らしく綴っている。


そういった意味でもKNOTを通じて見えなかった彼の姿を一般に知れる機会が増えたのだなと思う。

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その後の各選手の映像を見ても、特に優勝した飯田を筆頭に都築虹帆や松本浬空など、少し他とは違うようなサーファーとしてのライフスタイルや技へのアプローチ・立ち姿などが断然進化しているなと目に見えて感じているだろう。

海外トリップをまだ行っていない状況で少しでもこういった変化が見られるということは、こういったコンテストを継続することで、サーファーのポテンシャルが向上し、素晴らしい選手が日本から生まれてくるという期待に胸が躍った。

再び考える、KNOTのベースとは

PHOTOS BY KENYU TAKAHASHI

先に述べたように、どうすればDaneのように日本でフリーサーファーが活躍できるのであろうか?
どうすれば日本から世界に羽ばたけるスターを生み出せるのか、これが大橋海人がKNOTを開催するにあたってのベースにあるということをこの半年間事務局サイドも改めて考える期間となった。

このトリップがどういう形で終われることが今後KNOTから排出されるサーファー達が世界で日の目を浴びることができるのかということを考え、長期的な選手の成長こそが大事になると誰もが思った。

技術的な成長は勿論、秘めたポテンシャルをKNOT online contestを通し引き出していく。
今回のメンバーが1サーファーとしてどれだけ魅力的な人物に成長していくのかということに着目していきたい。

勿論技術力の高いサーファーはすでに日本にもたくさんいる。
そういった選手を日本国内から発掘することも目的の一つではあるのだが、個性や人間性を磨いていくことが競技の世界で勝つためにも必ず必要な要素になることを大橋海人は知っている。

世界で活躍するゲストと触れることによってその素質をさらに引き上げ、またゲストから新たな感覚を吸収することで成長に繋げていくことが目的なのである。

PHOTOS BY KENYU TAKAHASHI

この風が日本国内でも広がれば、成長が連鎖し自ずと日本のサーフシーンが盛り上がるきっかけになり得るのではないだろうか。
まだまだ秘めている日本のサーファー達の力をブラッシュアップするためには、KNOTのように違う角度から挑戦できるコンテストが面白い化学反応を起こすかもしれない。

終わりに

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KNOTだからできる選手の成長とは。

通常の競技に加えて、サーファーが共有する感覚も含まれていると言っても良い審査基準。
ジャッジペーパーはKNOTにはない。
一番良いサーファーが選ばれるというシンプルさが、逆に選手自身がどんなサーファーでありたいかという部分を評価しているようにも思える。

人に寄せるのではなく、自分らしさを。

勝てるサーフィンを模範にするより、自分らしいサーフィンを伸ばした先に世界への切符があると、今回の飯田が証明してくれたのではないだろうか。

KNOTを継続していく中で、長い目で見た選手の成長、またその次の世代が活躍していくその姿をもっと見たいという人々を生み出していくために、KNOTが橋渡しになれば良いなと思う。

是非、選手の集大成が詰まったトリップの様子をお楽しみに。
あなたはこのクリップから新しい可能性を感じるであろう。

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↓↓松野陽斗Instagram↓↓

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